中国外交部の毛寧報道官は11月4日の定例会見で、英国家サイバーセキュリティセンター(NCSC)が中国をAIサイバー能力の主要な開発国と評価し2028年までに常用すると述べた年次報告に、「証拠がないまま英国が行った放縦な臆測に重大な懸念を表明する」と反発した。英国がサイバー問題を政治化し、中国のAI発展を抑える口実にしていると述べた。AI由来のサイバーリスクは国連で新たな規則を作って対応すべき世界的課題だと主張した。
「政治化」と規範づくりをめぐる主張
毛氏は、英国が長くサイバーの問題を政治化してきたとし、今回の指摘が中国のAI発展を抑える口実だと述べた。その上で、この種の行動は中英の相互信頼に資さず、世界的なAI安全ガバナンスでの協力に関する英国の信頼性を損なうと主張した。AIの発展は開放と万人の利益に向け、安全と発展を両立し、安全で信頼でき制御可能であるべきだと述べた。
中国側はこれを規範形成の文脈に置く。国営メディアは、2025年7月の「グローバルAIガバナンス行動計画」と、2026年7月に29か国が上海で署名した世界人工知能協力機構の設立合意を挙げ、国連を軸とした枠組みづくりを強調した。報道官は英側の報告を具体的な証拠を欠く体系的な宣伝活動だと位置づけた。
英中双方の主張の対立
NCSCは前号で扱ったとおり、AIを組み込んだマルウェアが2028年までに英重要インフラへのランサムウェア攻撃に使われる確度を「高い」と評価し、中国を最も高度で持続的なサイバー上の挑戦と呼んだ。英側は能力と意図の双方を中国が備えるとし、中国側は証拠の不在を理由に全面的に否定する構図である。両者の主張は独立の検証を欠くため、評価の当否は当事者間の対立にとどまる。
毛氏は同じ会見で、米中間選挙を米国の内政だとし、米国との間で戦略的安定の構築に取り組む用意があるとも述べた。英国への反発とあわせると、サイバーとAIをめぐる非難の応酬が主要国間の関係管理と規範形成の双方に結びつく局面を示している。したがって今回の反発は、個別の報告への反論を超えて、AIサイバーの規則づくりの主導権をめぐる構図の一部として読める。
出典一覧
一次資料
- 1
Foreign Ministry Spokesperson Mao Ning's Regular Press Conference on November 4, 2026
出典確認 2026.11.06
中国外交部 · 外部サイト
報道
- 2
China expresses 'serious concern' over UK's unfounded 'cyber challenge' claims regarding Chinese AI
出典確認 2026.11.06
Global Times · 外部サイト
関連資料と分析
背景
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根拠
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続報・後続版
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関連する論点
この記事の引用
AI & Security Observatory(2026-11-04)「中国外交部、英NCSCのAIサイバー警告に「重大な懸念」 証拠なき臆測と反発し技術抑止と批判」『AI & Security Observatory』、第1.0版、最終更新2026-11-06。https://ai-security-observatory.org/ja/brief/brief-20261106-04/
AI & Security Observatory (2026-11-04). China voices 'grave concern' at the UK NCSC's AI-cyber warning, calling it evidence-free and aimed at curbing its AI . AI & Security Observatory, version 1.0. Updated 2026-11-06. https://ai-security-observatory.org/en/brief/brief-20261106-04/
版 1.0 · 公開日 2026.11.04 · 最終更新 2026.11.06
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