NATOサイバー防衛協力センター(CCDCOE)は11月2日、タリンで年次演習「クロスド・ソーズ2026」の実施段階を開始した。40を超えるNATO加盟国・非加盟国から250人超が参加し、今年は参加者がAIエージェントを設計・開発・配備・評価し、操作者として共に作戦を行う訓練系統を新設した。演習長は「AIが双方のループの中にいる」ため同期が難しくなると述べ、環境にはオンプレミスのAIと初めてOpenAIのDaybreakが組み込まれた。
同期という作戦課題と攻守双方のAI
演習長のヨゼフ・コステランスキー氏は「試しているのは同期という中核的な作戦課題だ」と述べ、今年は「AIが双方のループの中にいる」ために難度が上がると説明した。クロスド・ソーズは作戦レベルの軍の指揮要素(攻撃・防御のサイバー能力)と戦術レベルのサイバー専門家の技能向上を目的とし、特殊作戦部隊の演習と統合して行われる。報道によれば、サイバー効果は物理的な行動の数時間後でなく数分以内に発現することが求められる。
参加者には軍のサイバー作戦要員、デジタル・フォレンジック分析官、脅威ハンターが含まれ、重要インフラ防護の計画を含む民軍協力も扱う。センター長のトニス・サール氏は、多領域の環境でサイバー作戦に備える機会だと述べた。演習は2014年から毎年行われており、11月6日まで続く。
Daybreakと20超の民間パートナー
技術環境にはオンプレミスのAIシステムに加え、初めてOpenAIの「Daybreak」が組み込まれた。Daybreakは同社が9月に10億ドル規模の補助付き提供を表明した防御向けのサイバー技術で、演習への適用はその最初の多国間の場となる。パートナーは学術・産業・NGOから20超で、OpenAIのほかMandiant、ESET、Bitdefender、Elastic、Fujitsu、赤十字国際委員会(ICRC)などが名を連ねる。OpenAIは報道各社の取材に回答していない。
CCDCOEはNATO認定の研究・訓練機関であり、NATOの正式な軍事指揮系統の外で運営される。したがって今回の演習は同盟の作戦ドクトリンの変更を意味せず、各国の要員がAIエージェントを操作者として扱う技能を試す段階にある。主催者は、エージェントが人の承認なしに攻撃を認可したり目標を選定したりできるとは示しておらず、人の監督を強調している。演習結果と事後報告の公表は予告されていない。
出典一覧
一次資料
- 1
Exercise Crossed Swords tests cyber operations and multi-domain coordination
出典確認 2026.11.05
NATO CCDCOE · 外部サイト
報道
- 2
AI Agents Enter The Battlefield As NATO Prepares For Future Warfare
出典確認 2026.11.05
Daily Caller · 外部サイト - 3
NATO's Crossed Swords Exercise Brings AI Agents Into Cyber Operations Training
SecurityWeek · 外部サイト
関連資料と分析
背景
明示された関連付けはありません。
根拠
明示された関連付けはありません。
続報・後続版
明示された関連付けはありません。
関連する論点
この記事の引用
AI & Security Observatory(2026-11-02)「NATOサイバー防衛センターの演習、AIエージェントを攻守の「ループ内」に初導入 OpenAIのDaybreakも」『AI & Security Observatory』、第1.0版、最終更新2026-11-05。https://ai-security-observatory.org/ja/brief/brief-20261105-05/
AI & Security Observatory (2026-11-02). NATO CCDCOE's Crossed Swords exercise puts AI agents 'in the loop on both sides' for the first time, with OpenAI's Daybreak in the environment . AI & Security Observatory, version 1.0. Updated 2026-11-05. https://ai-security-observatory.org/en/brief/brief-20261105-05/
版 1.0 · 公開日 2026.11.02 · 最終更新 2026.11.05
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