韓国国防部は11月2日、京畿道抱川で「国防ドローン本部」の発足式を開いた。2023年9月に創設されたドローン作戦司令部を解体し、無人機の運用概念、所要の審査、商用機の軍用認証、部品の標準化を国防部直轄の本部に集約する。10月29日に金正恩総書記が無人兵器へのAI組み込みを最優先と指示した直後の、制度面での応答である。
作戦部隊から政策・戦力企画の本部へ
発足式は李斗熹国防次官が主宰し、本部は10月13日の閣議決定と10月20日の施行令公布を経て11月1日に法的に設置された。韓国メディアの報道によれば、本部は作戦部隊としての性格を持たず、無人機の運用概念の策定、合同参謀本部の所要審査への参加による各軍の重複事業の整理、朝鮮半島向けの先進技術の迅速な試験、民生技術の軍への取り込みを担う。契約と品質認証は従来どおり防衛事業庁が受け持つ。
人員は約280人のドローン作戦司令部から約100人に絞り、佐官級以上の比率を約17%から50%超へ引き上げる。本部長には少将級が予定され、当面は金得奉前司令官が職務を代行する。司令部が持っていた打撃任務は陸軍・空軍・海兵隊に移し、合同参謀本部が統合指揮統制を担う。したがって、この再編は組織の縮小と同時に、政策と要求を一元化する司令塔の創設として位置づけられる。
「第2の個人火器」と消耗型2万機の調達目標
本部が掲げる目標は数値で示されている。2030年までに長距離自爆無人機K-LUCASを戦力化し、短距離偵察と小型自爆を含む低価格の消耗型無人機を2万機以上確保する。中高度偵察無人機MUAVは本年から配備を始め、2029年までに約6万機の商用訓練機で「50万ドローン戦士」を育成する。無人機を全部隊で「第2の個人火器」として扱うという方針は、北朝鮮の無人航空技術展示会への直接の応答と読める。
供給網の面では、米国の「Blue UAS」制度を模した商用無人機の軍用認証制度を設け、電池やモーターなど中核部品の中国依存を同盟国との協力で引き下げるとしている。台湾が「100%非紅供給網」を掲げ、米国がNDAA準拠部品で国内基盤を整えるなかで、韓国も認証制度を通じて同じ方向へ踏み出した。認証の基準と審査体制はこれから具体化される。
戒厳令事件の残影と組織の正統性
解体されたドローン作戦司令部は、2024年10月の「平壌無人機」作戦をめぐり、同年12月3日の戒厳令の名分づくりに関与したとして司法の対象となった。ソウル新聞によれば、2026年6月の一審判決では尹錫悦前大統領と金龍顕前国防相に懲役30年、金容大前司令官に執行猶予付きの懲役3年が言い渡されている。新本部が司令部の機能を引き継ぎつつ名称と性格を変えたことには、能力整備と並んで組織の正統性を立て直す意味がある。
一方で、国防部の公式発表文と本部長の発言は本稿の時点で確認できておらず、目標値の多くは韓国メディアが伝える本部の説明に基づく。10月31日には国防部が無人機・AI導入の遅れを「深刻」と認めており、新本部がどの速さで所要審査と認証制度を回し始めるかが、北朝鮮との無人機競争における韓国側の実装の指標になる。
出典一覧
報道
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'Strengthening Drone Capabilities Across All Services': Defense Drone Headquarters Launched Under Defense Ministry
出典確認 2026.11.03
SBS News · 外部サイト
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背景
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根拠
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続報・後続版
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関連する論点
この記事の引用
AI & Security Observatory(2026-11-02)「韓国国防部が「国防ドローン本部」を発足 作戦司令部を解体し、認証・所要・調達の司令塔を直轄化」『AI & Security Observatory』、第1.0版、最終更新2026-11-03。https://ai-security-observatory.org/ja/brief/brief-20261103-01/
AI & Security Observatory (2026-11-02). South Korea launches a Defense Drone Headquarters under the MND, dissolving the Drone Operations Command to centralise certification, requirements and procurement . AI & Security Observatory, version 1.0. Updated 2026-11-03. https://ai-security-observatory.org/en/brief/brief-20261103-01/
版 1.0 · 公開日 2026.11.02 · 最終更新 2026.11.03
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