ウクライナ空軍は3日朝、2日18時以降の攻撃でロシアが無人機289機、巡航ミサイル59発に加え、イスカンデルM・KN-23型の弾道ミサイルとジルコン極超音速ミサイルを投入したと発表した。09時時点の暫定値で309目標を無力化し、23か所で着弾、14か所で残骸落下を記録したという。標的は変電所と発電所に集中し、キーウでは緊急停電と断水が発生した。ウクライナ側は今年最大規模のエネルギー攻撃と位置づけている。
ジェット型120機と弾道・巡航の同時投入
空軍の内訳では、無人機289機はシャヘド型(うちジェット推進120機)とゲルベラ、囮の「パロディヤ」で構成され、巡航ミサイル59発はKh-101、Kh-59、Kh-69、イスカンデルKである。弾道ミサイルとジルコンの発射数は空軍の発表に含まれず、エスプレソTVを引くウクライナ媒体が弾道17発と伝えている。無力化は無人機257機(ジェット型89機)、巡航ミサイル49発(3発は確認中)、弾道・ジルコン3発で、インタファクス・ウクライナは迎撃率を無人機89%、巡航ミサイル83%と計算した。
発射地点は弾道がロストフ、ボロネジ、クルスク、巡航がボログダ、オレンブルク、オリョール、無人機がオリョール、クルスク、ミレロボ、プリモルスコ・アフタルスク、占領下ドネツク、クリミアのフバルジイスケとチャウダと公表され、主攻撃方向はキーウ、ハルキウ、ビンニツァ、ドニプロペトロウシクの各州であった。弾道弾のどれが防空網を抜けてどこに着弾したかは発表されていない。数値はすべてウクライナ側の主張であり、独立した検証は限定的である。
送電網と原発周辺の変電所に移った標的
DTEKは火力発電所3か所が被弾して発電を停止したと発表し、エネルギー省は24時間で10州のエネルギー施設に20件を超える攻撃があったとした。キーウ市のクリチコ市長は「キーウ地域のエネルギー拠点施設の損傷」を理由に市と州で緊急停電を実施し、給水と電気交通にも支障が出たと述べた。ウクレネルゴのザイチェンコCEOはキーウ・インディペンデントに、重要インフラに対する弾道ミサイルの波としては最大級の一つだと語り、原発の運転に不可欠な変電所が攻撃を受けたとも報じられている。
ゼレンスキー大統領は、ロシアが今年は発電所だけでなく送電網と配電網を狙う戦術に転じたと述べ、ベルリン安全保障会議では「弾道ミサイルの数に対して単独で空域を守れる欧州の国はない」「無人機防御の体系を一国で築ける国はない」と訴えた。シュミハリ首相は欧州全体の原子力安全への脅威を強調し、約8億ユーロの残高を持つエネルギー支援基金に追加4.5億ユーロが必要だとして支援を求めた。前日2日にはザポリージャ州コミシュワハで人道支援の配布場所が航空爆弾の連続攻撃を受け、3日時点で31人の死亡と約50人の行方不明が報告されている。
昼間はジェット型が9割、迎撃負荷は時間帯で偏る
夜間攻撃の終了後も投入は続き、空軍は3日06時30分から19時までに無人機81機が飛来し、うち74機がジェット推進であったと発表した。62機(ジェット型56機)を撃墜または無力化したとする。1〜2日夜の193機(ジェット型75機)、2日昼の171機(ジェット型6割)と合わせると、ロシアは夜間に大量のピストン型と囮を混ぜ、昼間はジェット型を主体に迎撃側の高速目標対処能力を試す配分を続けている。ジェット型の迎撃率は夜間74%、昼間76%で、プロペラ型を含む全体より低い。
出典一覧
報道
- 1
Air defense downs 49 of 59 cruise missiles, 257 of 289 drones overnight; strikes recorded at 23 locations
出典確認 2026.11.04
Interfax-Ukraine · 外部サイト - 2
3 ballistic and 49 cruise missiles neutralized during Russia's massive attack - details from Air Force
出典確認 2026.11.04
UNN · 外部サイト - 3
Defence Forces neutralise 56 of 74 jet-powered drones attacking Ukraine since morning
出典確認 2026.11.04
Interfax-Ukraine · 外部サイト - 4
Russia's Massive Strike on Ukraine's Energy Infrastructure on November 3
出典確認 2026.11.04
112.ua · 外部サイト - 5
Klitschko: emergency outages in Kyiv due to damage to regional energy hub
出典確認 2026.11.04
Interfax-Ukraine · 外部サイト - 6
前報: ロシアが昼夜で364機を投入、昼間の171機はジェット型が6割 ウクライナ空軍は夜間154機・昼間139機を無力化と発表
関連資料と分析
背景
明示された関連付けはありません。
根拠
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続報・後続版
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関連する論点
この記事の引用
AI & Security Observatory(2026-11-03)「ロシアが一夜で無人機289機・巡航ミサイル59発に弾道・ジルコンを重ねて電力網を攻撃 ウクライナ空軍は309目標を無力化」『AI & Security Observatory』、第1.0版、最終更新2026-11-04。https://ai-security-observatory.org/ja/brief/brief-20261104-02/
AI & Security Observatory (2026-11-03). Russia sends 289 drones, 59 cruise missiles plus ballistic and Zircon missiles at Ukraine's grid in one night; Air Force reports 309 neutralised and impacts at 23 locations . AI & Security Observatory, version 1.0. Updated 2026-11-04. https://ai-security-observatory.org/en/brief/brief-20261104-02/
版 1.0 · 公開日 2026.11.03 · 最終更新 2026.11.04
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