欧州委員会は10月29日、1,500億ユーロの防衛融資制度SAFEのうち未使用の213億ユーロについて、全27加盟国に申請を呼びかける第2ラウンドを開始した。優先分野は防空・ミサイル防衛、無人機・対無人機システム、弾薬・ミサイルで、加盟国の計画にウクライナ企業との共同調達を組み込むことを奨励している。前日の28日にはハンガリーの54億ユーロの計画が承認され、第1ラウンドの19件すべてが承認済みとなった。

残余213億ユーロと四つの優先分野

残余資金は、イタリア、ハンガリー、フランスが当初の見込みより少ない額を借り入れたことで生じた。欧州委員会は第2ラウンドでも、第1ラウンドに参加しなかったドイツやオランダを含む全加盟国に門戸を開き、提出から2週間以内に暫定配分を通知するとしている。報道によれば申請期限は11月13日とされるが、この日付は欧州メディア1社の報道にとどまり、他の通信社は期限を記していない。

第1ラウンドで認められていた単一国による調達は5月に受付を終えており、第2ラウンドの融資は国境をまたぐ共同調達に限られる。無人機と対無人機システムが防空・弾薬と並ぶ優先分野に明記されたことで、欧州委員会が9月以来掲げる東側国境の監視と無人機防衛の構想は、融資の配分基準として制度に組み込まれる段階に入った。

ウクライナ共同調達の経路と限界

クビリウス委員は各国政府への書簡で、国内計画にウクライナ企業との共同事業を含めるよう促し、フォン・デア・ライエン委員長も9月の施政方針演説で残余資金をウクライナ企業との共同事業に向ける方針を示していた。したがって第2ラウンドは、ウクライナの無人機産業を欧州の調達体系に接続する最初の制度的な経路となる。

一方で、SAFEの融資を直接ウクライナに回すことは法的に認められておらず、約700億ユーロと見込まれるウクライナの財政不足を埋める手段にはならない。EU当局者は「ウクライナ企業が参加できる保証はない」と述べており、各加盟国が計画にどこまでウクライナ企業を組み込むかが実質を決める。

第1ラウンドの到達点

第1ラウンドでは19カ国の計画がすべて承認され、16件の融資契約が署名済みで、11カ国に約135億ユーロの前払いが実行された。最大のポーランドは437.3億ユーロで、その89%が国内調達に充てられる。ハンガリーはマジャル首相の下で申請額を164億ユーロから54億ユーロに縮小し、28日に承認を得たが、理事会の承認と融資契約の署名が残っている。アイルランドは第2ラウンドへの関心を表明している。

出典一覧

報道

  1. 1

    EU urges member states to tap €21.3 billion SAFE fund to boost defence, support Ukraine

    報道Reuters(Cyprus Mail掲載) · 2026.10.29

    出典確認 2026.10.30

    Reuters(Cyprus Mail掲載) · 外部サイト
  2. 2

    EU Commission invites member states to use $23.7B in defense funds for joint procurement, Ukraine support

    報道Anadolu Agency · 2026.10.29

    出典確認 2026.10.30

    Anadolu Agency · 外部サイト
  3. 3

    Brussels hopes unspent defence loans may help plug Ukraine's budget hole

    報道Euronews · 2026.10.29

    出典確認 2026.10.30

    Euronews · 外部サイト
  4. 4

    SAFE instrument: European Commission gives green light to Hungary's plan

    報道Agence Europe · 2026.10.28

    出典確認 2026.10.30

    Agence Europe · 外部サイト

前報: 欧州委員会、ハンガリーの54億ユーロのSAFE融資計画を承認 第1ラウンドが終了し第2ラウンドへ

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この記事の引用

AI & Security Observatory(2026-10-29)「欧州委、SAFE残余213億ユーロの第2ラウンド開始 無人機・対無人機を優先しウクライナ共同調達を奨励」『AI & Security Observatory』、第1.0版、最終更新2026-10-30。https://ai-security-observatory.org/ja/brief/brief-20261030-01/

AI & Security Observatory (2026-10-29). Commission opens a second SAFE round for the remaining €21.3bn, prioritising drones and counter-drone systems and encouraging joint procurement with Ukraine . AI & Security Observatory, version 1.0. Updated 2026-10-30. https://ai-security-observatory.org/en/brief/brief-20261030-01/

版 1.0 · 公開日 2026.10.29 · 最終更新 2026.10.30

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