英政府は10月28日の2026年予算で、今議会期の残りに先進無人システムへ50億ポンド、有人機と連携する協働戦闘航空機計画「StormFighter」に3億ポンド、陸軍の最新ドローン装備に4億ポンドを投じると表明した。あわせて国防省主導のドローン規制ユニットを新設し、AI・技術・サイバーセキュリティの支出をNATOの支出目標への貢献に数える方針を示した。
無人システム50億ポンドの内訳は未提示
予算文書の国家安全保障の節(5.27〜5.38項)は、StormFighterへの3億ポンドが「今議会期の残りにおける先進無人システムへの50億ポンドの広範な投資」と並行すると記す。陸軍向けの4億ポンドはイングランド南西部の製造基盤とウェールズの試験・評価・訓練活動を支えるとされる。ただし50億ポンドを無人機の種類別にどう配分するかは示されておらず、6〜7月の国防投資計画(DIP)が掲げた無人機への投資との重なりも明らかでない。したがって新規資金か既存計画の再掲かは、財務省本文と国防省の説明を待って判断する必要がある。
規制の切り出しと国防省主導の規制ユニット
財務相は、ドローンのような革新的な製品を「安全に試験し迅速に拡大できるよう、規制の切り出しを立法する」と述べた。切り出しは「成長のための規制法案」(Regulation for Growth Bill)の一部となり、政府が既存の規則を一時的に適応させる権限を持つ。国防省主導のドローン規制ユニットは省庁横断で規制障壁を減らし、無人・自律システムの試験への明確な経路をつくる。ユニットの運営方法と対象となる規則は今後の公表事項である。資金の積み増しと並べて規制の切り出しを置いた構成は、配備より前の段階である試験の速度を政府が制約と見ていることを示す。
AI・サイバー支出をNATO目標へ算入
文書は2030年に対GDP比3%、2035年に3.5%という国防支出の道筋を再確認し、「AI、技術、サイバーセキュリティ支出のNATOの任務への貢献を含め、国家のあらゆる手段を動員する」と記す。国防イノベーション(年4億ポンドの枠)の常任局長にトニー・リーブス氏を充て、約3,000万ポンドをデジタルツインなどのデジタルツール、約2,900万ポンドを自動化とAIに投じる。国家資産基金と英国ビジネス銀行は4年間で最大50億ポンドを防衛・デュアルユース分野に投融資する。
ウクライナ向けには今冬の防空支援に5億ポンドを追加し、2030-31年度まで年30億ポンドの軍事支援を維持する。オランダ・フィンランド・ポーランドとの多国間防衛メカニズムは条約交渉に入り、2027年の始動を目指す。AI・サイバー支出をNATO目標に数える方針は、同盟内で支出の中身をめぐる議論の材料となる。
出典一覧
一次資料
- 1
Budget 2026 (HM Treasury, text)
HM Treasury · 外部サイト
報道
- 2
Chancellor of the Exchequer's Budget 28 October 2026 – Defence Extract
出典確認 2026.10.29
Defence Eye · 外部サイト - 3
関連資料と分析
背景
明示された関連付けはありません。
根拠
明示された関連付けはありません。
続報・後続版
明示された関連付けはありません。
関連する論点
この記事の引用
AI & Security Observatory(2026-10-28)「英予算、無人システムに50億ポンド・陸軍ドローンに4億ポンド AI・サイバー支出をNATO目標に算入」『AI & Security Observatory』、第1.0版、最終更新2026-10-29。https://ai-security-observatory.org/ja/brief/brief-20261029-02/
AI & Security Observatory (2026-10-28). UK Budget commits £5bn to uncrewed systems and £400m to Army drones, counting AI and cyber spending toward the NATO target . AI & Security Observatory, version 1.0. Updated 2026-10-29. https://ai-security-observatory.org/en/brief/brief-20261029-02/
版 1.0 · 公開日 2026.10.28 · 最終更新 2026.10.29
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